笛吹き男に誘われて

行ってしまった子供たち

ねずみはみんな溺れてしまったけれど

子供たちは笑いさざめきながら

笛吹き男について行きました。

子供たちは気が付いたとき

美しい町にいました。

お腹のすいた子供たち

行列の行く先は

大きなレストラン。

だあれもいないレストラン

テーブルには

見たこともないような

美味しそうなご馳走がいっぱい。

「さあさあ　どれでも　好きなのを　お食べ」

やさしい声がきこえます。

眠くなってきた子供たちに

また声がきこえます。

「さあ町へ行って好きなお家でお眠り」

町には可愛い家がいっぱい。

ベッドルームにはふかふかの羽根布団。

何年も経ちました。

赤い屋根、ベージュの壁の可愛い家から

あの時　四歳だった

青い目をした金髪の可愛い女の子がでてきました。

でもそのあとからそっくりのママが。

この町にすむ人々は

自分がどこから来たのか

ちっとも知らないけれど

毎日とても楽しく

歌ったり踊ったりして暮らしています。

ハーメルンの町の川向こうに

今でも時々霧の中に

美しい町が見えるけれど

橋を渡って見に行っても

深い森ばかり。

11/02/28グリム童話の続きなんておこがましいですが。